身体に直接的に現れるサイン

身体にストレスによる負荷がかかっていることが、比較的分かりやすいものに循環器系と消化器系の兆候が挙げられます。循環器系の代表的なものは心臓の動悸の高まりや胸の痛み、不規則な脈拍などです。消化器系で言えば吐き気や嘔吐、下痢・便秘や胃もたれなど消化器官からくる不具合が該当します。これらは大勢の人の前に立つ時や、すんでのところで事故を回避した際に味わうなどストレス下の反応として認識しやすい兆候と言えるでしょう。 一方で疲れやすさや身体の倦怠感といった、全身症状は風邪などの諸症状と似ているため判別が難しく気付きにくいです。肩・首のこりや手足のだるさ、片頭痛などの筋肉系症状もその一部と言えます。加えて目の疲れや目眩、音への過敏性の高まりといった感覚器官系の兆候なども同様に分かりにくいもののストレスのサインである可能性が高いです。

ストレスを受けて身体や行動に現れるまでの流れ

不快に感じる体験・刺激を受けた身体が、最初に示すのは情動の変化です。不安・恐怖や怒り、失望といった感情を呼び起こします。交感神経が活発になり戦闘モード、もしくは逃避モードに移行します。野生動物が、天敵に遭遇した時の反応をイメージすれば分かりやすいでしょう。次に身体に及ぼす変化として動悸や震え、冷や汗・過呼吸などが挙げられます。映画のワンシーンで拳銃を突き付けられた人物がこういった反応を示すのも、殺されるかもしれないという強いストレスを感じているからです。

情動と身体に大きな変化が生じたため、これらを解消するために発生するのが行動変化です。目的もなくそわそわと歩き回ったり、暴飲暴食で気を紛らわそうとしたりといった行動が挙げられます。感情や身体、行動に現れたサインを観察してどの程度の負荷がかかっているのかを確認することが第一歩です。